支柱変形のため1月から運休していた中央アルプス駒ケ岳ロープウェイが6日、約5カ月ぶりに運行を再開した。再開を待ちわびた県内外の登山客が始発便から列を作り、臨時便も出た。標高2612メートルの千畳敷駅(駒ケ根市)に到着すると、アイゼンを履いて残雪のカールを散策した。
中アは3月に国定公園に指定された。雪解けが早く、支柱の補強工事が順調に進み、夏山シーズン前に再開できた。新型コロナウイルス感染防止のため乗車人数は当面、定員60人の半数程度に減らして運行する。
午前9時の始発便は30人が乗り込み、すぐ後の臨時便は28人が乗った。千畳敷の気温は12度で、風がほとんどない穏やかな天候。半袖姿の登山客もいた。積雪は1メートルほど。
午前1時からロープウェイ駅行きのバスを麓で待った静岡県森町の主婦沢本綾乃さん(49)は「再開したら1番に行こうと思っていた。最高の景色の場所まで一瞬で来られるのが魅力。変わらない山にほっとした」と息子と記念撮影をし合った。この日のロープウェイ利用客は149人だった。
千畳敷ホテルもこの日、定員を半分程度にして営業を再開した。中アでは今夏休業する山小屋もある。