見つかったオープンリールテープを示す石田さん(右)と伊藤さん=金沢市上近江町

見つかったオープンリールテープを示す石田さん(右)と伊藤さん=金沢市上近江町

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「近江町市場のうた」 作曲者が判明 音源テープ見つかる

北國新聞(2020年6月14日)

 長年歌い継がれながら、作者やいわれが全く不明だった「金沢近江町市場のうた」の音源とみられるテープが13日までに見つかった。2016年に81歳で亡くなった東京出身の作曲家、横山太郎さんが曲を手掛けたことが明らかになり、謎に包まれた歌の姿が少し見えてきた。来年の開場300年の節目を前に、市場関係者はさらなる情報を求めて調査を続けている。
 「魚はぴんぴんぴん 野菜は旬旬旬 海の幸どっさりー 山の幸どっさりー」。近江町市場のうたは明るく伸びやかな曲調が特徴で、商店街振興組合がイベントなどの際に場内に流している。
 市場では親しまれている歌だが、いつ誰がどのように作ったかは、組合自体も把握していない。レコードなどの音源はなく、これまでダビングされたテープだけが伝わっていた。
 新たにオープンリールのテープを見つけたのは、市場300年史の編集に携わる金沢中央信用組合参与の石田順一さん(67)=小立野3丁目。編集作業のため史料を探していたところ、組合の倉庫に眠っていたテープに行き当たった。テープの箱には手書きで「作詩・栗山すすむ 作曲・横山太郎 唄・明石光司」と記されていた。
 石田さんは、石川ゆかりの歌曲に詳しい「金澤ふるさと倶楽部」代表の伊藤正宏さん(73)=神宮寺1丁目=と協力して調べ、横山太郎さんが東京生まれの作曲家、童謡研究家、明石光司さんが「ビクターレコード」専属の歌手だったことを突き止めた。栗山さんについてはまだ分かっていない。
 横山さんは1934(昭和9)年生まれで、NHKの歌番組などでアコーディオン奏者として活躍。生前の横山さんと親交のあったすぎのこ芸術文化振興会(東京)の小澤幸雄顧問によると、レコード会社の依頼で作曲や編曲を手掛け、全国の童謡のふるさとを訪ね歩く活動に取り組んでいた。子どものための人形劇巡回公演を行う同振興会では、1970年以降多くの作曲を手掛け、理事、顧問を歴任した。
 歌の作者は分かったが、制作年代は依然不明だ。石田さんは市場の古老らに聞き取りを重ね、組合の会議の議事録なども確認しているが、有力な証言や記載は得られていない。
 型式などから、テープは昭和30年代~40年代前半に吹き込まれ、それを元にレコードが作られた可能性があるとみており、今後は組合と協力して情報の提供を呼び掛けていく。石田さんは「どこかの家に眠るレコードがこの機会に見つかったりすれば積年の謎が解ける」と期待を込めた。

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