白山市の手取川上流域で進められている斜面崩落地の緑化対策で、林野庁石川森林管理署は16日、植生の回復に向けた今年度の工事を始めた。職員らが同市の白山一里野温泉スキー場を発着点にヘリコプターで現場まで10往復し、空から草木の種子などを散布した。
種子は崩落現場から西へ約5キロ離れた、植生状況が似ている丸石谷(まるいしだに)で集めた。16日はハンノキやミズキなどの種子と肥料を混ぜた泥約5トンをまいた。今年度は8月末までに種子やヤナギの枝、石を詰めた袋計約64トンを散布する予定で、斜面下部でも緑化に向けた土壌作りを進める。
崩落は2015年春、手取川支流の中ノ川上流域の約15ヘクタールで発生した。同管理署によると、植生が徐々に回復し、川の濁りも収まってきている。復旧事業期間は21年度までとなる。