バラの咲き具合を確かめる〓谷さん(〓は、雨カンムリに雅のツクリ、その右に鳥)

バラの咲き具合を確かめる〓谷さん(〓は、雨カンムリに雅のツクリ、その右に鳥)

長野県 蓼科・八ヶ岳・諏訪 花・紅葉

ガーデナー、たゆまぬ熱意 茅野の英国式庭園30周年

信濃毎日新聞(2020年6月19日)

 茅野市北山の英国式庭園「蓼科高原バラクライングリッシュガーデン」が1990年の開園から30周年を迎えた。18〜22日は30周年感謝祭を開き、園芸講座を連日開講している。今年は新型コロナウイルスの影響で入園者は減少傾向だが、ガーデナー(庭師)の〓谷(つるたに)昇さん(70)は「花のある暮らしは楽しい。日々の生活に追われている人にこそ興味を持ってもらいたい」と、庭造りの魅力を伝えていく思いを強くしている。

 同庭園は、英国園芸研究家のケイ山田さんが、日本初の英国式庭園として開園。約1万平方メートルの園内に約5千種類の草花が植わり、季節折々の花が咲く。初夏のこの時季は、原種に近い品種のバラ「オールドローズ」が見頃を迎えつつある。

 こうした美しい景観は、〓谷さんら3人のガーデナーが手間暇をかけて作り出している。開園時からガーデナーを務める〓谷さんは、園内を日に何度も回り、枯れ草や病気の有無など草花の様子を丹念に確かめる。

 「人の手がなければ園の草花は維持できない」と〓谷さん。標高約千メートルの同庭園の環境は「冬は霧ケ峰の寒風が吹き下ろし、雪が少ない分、寒さが花に直接響く」と言う。試行錯誤をしながら、寒さに強いオールドローズを充実させてきた。

 こだわりは「草花が自然に見える」こと。等間隔に植えない、花の色は暖色系と寒色系は近づけない、植える本数は偶数よりも奇数の方がより自然に見える―といった技術は長年の経験で得たものだという。

 感謝祭では、英国の園芸専門家やパティシエらの自宅と同庭園をオンラインでつないだ講座を開催したり、紅茶と菓子を楽しむアフタヌーンティーセットを販売したりしている。講座の参加には予約が必要。30周年に合わせて県民は7月17日まで1200円の入園料を半額にする。問い合わせは同庭園(電話0266・77・2019)へ。

(〓は、雨カンムリに雅のツクリ、その右に鳥)

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