トロッコ電車の旅を終えて降車する乗客=黒部峡谷鉄道宇奈月駅

トロッコ電車の旅を終えて降車する乗客=黒部峡谷鉄道宇奈月駅

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移動自粛解除 観光地に県外客 初の週末、人出回復に期待

北日本新聞(2020年6月21日)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた都道府県をまたぐ移動の自粛が全面解除され、初の週末となった20日、県内の観光地には家族連れらの姿が目立った。県外客も多く、人出回復への期待が高まった。一方で、感染拡大への警戒は続き、観光地は対策の徹底に向けて気を引き締めた。

 県は外出自粛を解除した5月29日以降も感染拡大が続いていた首都圏などとの往来に慎重な判断を求めてきた。19日に都道府県を越える移動が解禁された。

 黒部市の宇奈月温泉街では人通りが少し増え、足湯を楽しむ家族連れやカップルもいた。黒部峡谷鉄道のトロッコ電車は今月1日の運転開始後では最多の144人の予約が入り、約530人が乗車した。東京都から訪れた渋谷直希さん(34)は富山出身の妻と子ども2人と乗車し「在宅勤務だったので、自然に癒やされた」と話した。

 高岡市の瑞龍寺や氷見市のひみ番屋街には県外ナンバーの車が並んだ。瑞龍寺に立ち寄った浜松市の会社員、内野寿紀さん(51)は「やっと県外旅行ができるようになった」と喜んだ。

 番屋街で水産加工品を販売する澤田耕一さん(47)は「県外のお客さんが増えた」とほっとした表情。運営会社の尾町和広執行役員事業部長(47)は「安心して買い物を楽しんでもらえるよう対策に力を入れたい」と気持ちを新たにした。

 県都・富山市にも観光客の姿が戻ってきた。あいの風とやま鉄道が約2カ月ぶりに営業運転を再開した観光列車「一万三千尺物語」は、2コースの定員をそれぞれ半分の25人に減らして運行し、計35人が乗車した。ともに富山出身で石川県白山市に住む小林政則さん(72)、静子さん(66)夫妻は「古里が誇る景色とすしを味わいたい」とうれしそうに列車に乗り込んだ。

 富山市中心部の松川を巡る遊覧船も運航を始め、計20人が水上散策を満喫。射水市の栗島裕子さん(36)は「のびのびと楽しむことができた」と、息子と2人で笑顔を見せた。

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