上田市の千曲川河川敷で20日夜、花火師の有志らが新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「悪疫退散」や医療従事者への感謝の気持ちなどを込めて約20発の花火を打ち上げた。感染の終息を願い、今月1日に県内を含む全国各地の花火業者が一斉に花火を上げたイベントに刺激を受けて企画した。
同市中央北の花火師、小川充宏さん(64)が発起人。小川さんは毎年、同市の県上田養護学校の寄宿舎で暮らす子どもに見てもらおうと、仲間とボランティアで花火を上げてきた。だが、その恒例行事も今年は新型コロナの影響で中止になった。
この日、花火業者の武舎煙火工業(上田市)に所属する花火師ら7人も集まった。同社も協力し、午後8時に打ち上げを開始。鮮やかな赤や青色、笑顔をイメージした花火が夜空を照らすと、通り掛かった住民らが歓声を上げた。
小川さんは、台風19号災害からの地域復興の願いも込めたとし、「思った以上の花火を上げられた。それぞれの願いがかなってほしい」と話した。