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稲荷公園に1万人アリーナ 富山で計画

北日本新聞(2020年6月30日)

 富山市中心部にある稲荷公園に1万人規模を収容する全天候型アリーナやホテルなどを整備する再開発計画が浮上した。関係者によると、公園近くのショッピングセンター・アピア(富山市稲荷元町)を建て替え、一体的に整備する計画。事業費は約400億円を見込む。年内に地権者が準備組合を設立する方向で調整している。2027年の完成を目指し、市や富山地鉄などと協議を進めている。

 再開発が計画されているのは、富山地鉄稲荷町駅の南北にまたがるエリア。富山市稲荷園町などの稲荷公園と、線路を挟んで向かいに位置するアピアが含まれる。一帯の面積は約20万平方メートル。

 稲荷公園は市が1996年に化学工場跡地に整備した市管理の公園。自然やレクリエーションを楽しむ場として親しまれている。市有地であることから、再開発に当たっては民間資本を都市公園に導入して活性化する「パークPFI」の手法を生かす。地権者は4法人となる見通し。

 構想では、再開発エリアを東西に走る線路を踏切で渡らずに済むよう渡線橋を架ける。アリーナやホテル、飲食店のある公園側と、アピア、分譲マンションが立地するエリアを往来しやすくする。高齢者向けマンションも整備する。

 電鉄富山駅から1駅、所要時間3分と近い地の利を生かし、スポーツやコンサートといった大規模イベントを誘致する。立山黒部アルペンルートの起点として観光需要にも対応。ショッピングやエンターテインメントを満喫できる富山の「副都心」として地域のにぎわい創出につなげる。1985年に開業したアピアは建物の老朽化が課題となっていた。

 ◆パークPFI◆ 公園内の施設を整備、管理する事業者を公募する制度。2017年の都市公園法改正で創設された。民間資金活用による社会資本整備(PFI)を通じて自治体など公園管理者の財政負担を軽減しつつ、公園の有効活用や魅力向上につなげることを目的とする。

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