初めて刊行した絵本を持ついのうえさん。後ろは自身が耕す畑

初めて刊行した絵本を持ついのうえさん。後ろは自身が耕す畑

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信濃町の自然、物語の中に 17年に移住、絵本作家いのうえさん

信濃毎日新聞(2020年7月15日)

 信濃町の絵本作家で画家のいのうえかなさん(36)が17日から、初刊行した絵本の原画展を同町の黒姫童話館で開く。2017年に東京から移住。地域の豊かな自然にアイデアを得ながら次回作も構想中といい、これからも町での経験を基にした作品を出していきたいと思い描いている。

 京都府京丹後市出身で、海や山が身近にある場所で育ったという。京都市の京都造形芸術大(現京都芸術大)に進学し、卒業後は同市内で画家として活動。その後、東京に移り、店舗の壁画などを手掛ける会社でイラストレーターとして働いた。

 会社員時代は、効率的に作品を仕上げる段取りなどを「画家として勉強させてもらった」と振り返る。一方、忙しくて、自分で自由に作品を描く時間が取りづらかったといい、「持続的な生活を送りたい」と思うようになった。信濃町は夫が幼い頃から家族と夏に訪れていた縁があり、移住を決めた。

 いのうえさんは初めての絵本「アリアと森のおともだち」を昨年11月に刊行。主人公のアリアが雪に残った足跡をたどり、森のさまざまな動物たちに出合う物語だ。「信濃町に来た当初、散歩している時にすぐにストーリーや絵が頭に浮かんだ」と話す。AB変型判、32ページ。1500円(税抜き)。黒姫童話館などで販売している。

 町内の畑で、自家用に無農薬で野菜栽培も始めた。植物や生物をより深く知り、絵本に生かしたいと考える。「次は畑の絵本にしたい。スマートフォンなどの液晶画面に夢中な子どもも多いが、一歩外に出れば、いろんな虫や生物がいるよと伝えたい」。多くの町民との出会いから影響を受けているといい、「信濃町で感じている『生きる』ということをメッセージに込めた作品にしたい」と話している。

 原画展は31日までの午前9時〜午後5時。無料。問い合わせは黒姫童話館(電話026・255・2250)へ。

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