伝統的町家の姿をとどめながら建築当時の流行を取り入れている旧浅井薬店の店舗兼主屋=福井県越前市幸町

伝統的町家の姿をとどめながら建築当時の流行を取り入れている旧浅井薬店の店舗兼主屋=福井県越前市幸町

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旧浅井薬店、旧大木道具店などが国登録文化財に 趣深い近代和風建築物

福井新聞(2020年7月18日)

 国の文化審議会は7月17日、福井県越前市の旧浅井薬店(小澤金物店)の店舗兼主屋と、坂井市の旧大木道具店の店舗兼主屋、土蔵の3棟を登録有形文化財(建造物)とするよう萩生田光一文部科学相に答申した。重要無形文化財の能楽で、主役として舞うシテ方の高度な体現者として鯖江市の福岡聡子さん(49)=宝生流=を保持者に認定することも答申した。県内の登録有形文化財(建造物)は今回を含め計212件となる。

 越前市幸町の旧浅井薬店は1931年に建てられた。木造2階建ての切妻造(きりづまづくり)で桟瓦葺(さんがわらぶき)。土間脇に調剤室があり、板間が張り出している。旧武生市街によく見られた伝統的町家の姿をとどめながら、正面入り口脇にショーウインドーを構えるなど、建築当時の流行を取り入れている。

 坂井市三国町北本町4丁目の旧大木道具店は三国湊の中心地に位置し、存在感を放つ近代和風建築物。店舗兼主屋、土蔵とも昭和前期に建築された。店舗兼主屋は木造2階建ての入母屋造(いりもやづくり)で、2階には上げ下げ窓が並ぶ。土蔵は北面に大ぶりの下屋を配置し、外壁はモルタル塗り。

 旧浅井薬店の店舗兼主屋は、越前市にUターンした小澤史郎さん(31)が改装し、2017年に和風金物を扱う「小澤金物店」を開いた。小澤さんは「立派な中柱や梁(はり)からは初代店主の気持ちが伝わってくる。そうした思いを継いでいきたい」と話した。

 旧大木道具店の店舗兼主屋にはレストランなど2事業者が入居している。所有する坂井市は「民間主導で他の町家も利活用が広がることを期待したい」とした。

 福岡さんはプロとして舞台に立つ傍ら、学校などで体験会などの活動を行っている。「責任を痛感している。さらに精進して芸を磨き、普及にも力を入れたい」と語った。

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