傾斜が急な場所に歩行を補助するロープを張る堀金登山案内人組合のメンバー

傾斜が急な場所に歩行を補助するロープを張る堀金登山案内人組合のメンバー

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北ア登山道、復活 前常念岳と常念小屋つなぐ

信濃毎日新聞(2020年7月20日)

 山岳ガイドでつくる堀金登山案内人組合(安曇野市)は19日、北アルプス・常念岳(2857メートル)東側の前常念岳(2662メートル)と、北側の常念小屋を結ぶ約1キロの登山道を再整備した。常念岳山頂付近を経由する現状のルートを通らずに、前常念岳と小屋を短時間で移動できる。過去に滑落事故が起きるなどして閉鎖されていたが、登山者から復活を望む声が寄せられていた。

 前常念岳と常念小屋をほぼ一直線に結ぶルートは、常念岳の巻き道(迂回(うかい)路)と呼ばれる。組合によると、70年ほど前に当時の組合員らが整備したという。常念岳山頂を経由すると2時間ほどかかるところを、巻き道なら1時間ほどで行き来できる。

 組合によると、巻き道は安曇野を一望できるが、雪が残りやすく、急傾斜で滑りやすい場所もある。過去、滑落や遭難がたびたび発生。10年以上前、管理に携わっていた常念小屋の判断で閉鎖した。

 作業は18、19日に組合員11人で実施。鎌やなたで生い茂った草木を切り、遭難防止の目印となるテープを付けたり、滑落の危険を減らすため沢筋や急斜面に歩行を補助するロープを取り付けたりした。

 百瀬二三男組合長(71)は「復活できてうれしく思う」と喜ぶ一方、「事故が再び起きないように、今後も整備を続けたい」とした。常念小屋のスタッフは「登山者には上級者向けルートとして説明したい」としている。

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