オンライン移住セミナーでパソコンのカメラを前に質問に答える川島さん夫妻(右)=4日、中野市永江

オンライン移住セミナーでパソコンのカメラを前に質問に答える川島さん夫妻(右)=4日、中野市永江

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長野県内自治体、ネット移住相談 新型コロナ拡大を機に注力

信濃毎日新聞(2020年7月20日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、県内自治体がオンラインによる移住相談に力を入れている。居ながらにして情報を集められる手軽さからか相談件数はどこも増加傾向。ただ、大都市圏で感染拡大が再燃しており、肝心の現地訪問がいつ本格再開できるのかは見通せていない。

 「移住のきっかけは?」「冬の雪は大丈夫ですか」...。中野市永江の築230年という古民家を改装した自宅で、川島直樹さん(68)、幸子さん(65)夫妻に県職員が質問していた。目の前にはパソコンのカメラ。県信州暮らし推進課が初めて開いたオンライン移住セミナーのゲストとして、ネットを通じて田舎暮らしの魅力を生発信した。

 2005年に同市に移り住んだ夫妻は、「先輩」移住者として相談に乗る県の信州暮らしパートナー。映像は首都圏だけでなく中京圏や関西圏などの25人ほどが視聴したといい、県の担当者は、地域を限定せず情報を発信できるオンラインの利点を踏まえ、「これを機にノウハウを蓄積していきたい」と話した。

 伊那市も4月から、オンラインでの企業紹介や移住セミナーを週1回開いている。対面式の従来のセミナーでは10人ほどだったという参加者は、緊急事態宣言が発令された5月には50〜60人に。須坂市も4月にオンライン相談を始めたところ対面相談会を開いてきた東京だけでなく、愛知や大阪からの参加があり、市信州須坂移住支援チームの担当者は「裾野が広がっている」と手応えを語る。

 東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」にある県移住・交流センターにも6月、電話とオンライン相談を合わせて26件の相談があった。昨年同月比7件増といい、都市生活での感染リスクの高さが気になり、相談につながった人もいたという。

 一方、移住を決めるために欠かせない現地訪問は進んでいない。伊那市、須坂市とも「東京などの様子を見ながら判断したい」と慎重。5月からオンライン相談を始めた飯田市は現地見学が難しいため、特にUターン希望者の呼び戻しに重点を置く。松本市も新型コロナの流行以前からの相談者をつなぎ留める手段としてオンラインを活用している面があるとする。

 県のオンライン移住セミナーにゲスト参加した中野市の川島さん夫妻は「『逃避』としての移住は成功しない」と生配信で助言、「焦らずにじっくり検討してほしい」と呼び掛けている。

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