建立当初の姿に復元された総門=高岡市伏木古国府

建立当初の姿に復元された総門=高岡市伏木古国府

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勝興寺総門の修復完了 高岡

北日本新聞(2020年7月21日)

 20年以上にわたる「平成の大修理」が大詰めを迎えている高岡市伏木古国府の勝興寺で、修復工事が行われていた総門が20日、完工した。これで国重要文化財の建造物12棟の修理が全て終了し、大修理は大きな節目を迎えた。今後は境内の景観整備などを進め、来年3月までに全ての修復事業が完了する。

 平成の大修理は国の補助を受け1998年に始まった。本堂を復元する第1期工事では、建築当初の材料を最大限活用し、傷みの激しい部分を解体修理する「半解体修理」の手法を採用。2004年に完成し、江戸期の姿がよみがえった。

 05年からは第2期工事として、寺の住居機能を担う本坊(大広間、式台、書院、奥書院、台所、御内仏)を含む11棟の保存修理が行われてきた。

 今回完工した総門は寺院では珍しいとされる高麗門形式。高さ8・7メートル、桁行(けたゆき)5・5メートル、梁間(はりま)3・1メートルで、柱の一部やはりに彫刻が施され、江戸期の建築様式が色濃く残されている。境内に重機や資材を搬入するため1999年に50メートルほど北側に移され、20年以上素屋根に覆われていた。

 工事は2018年に始まり、全ての瓦を降ろした。解体した瓦からはへら書が見つかり、1864(文久4)年に建設されたことが分かった。今年3月に元の場所に戻され、門の両側の築地塀とつなぐ作業や耐震補強などが行われた。

 今後は境内に歩道や防災設備などを整備し、来年3月末に完工する予定。新しい解説板を設置し、板の間には寺の宝物などの展示コーナーも設ける。

 勝興寺文化財保存・活用事業団の高田克宏専務理事(63)は「20年以上かけて全ての建造物が復元し、感慨深い。江戸期の雰囲気を取り戻した勝興寺が地域のにぎわいの一助になればいい」と話した。

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