作品を鑑賞する開場式の出席者=能美市九谷焼美術館「浅蔵五十吉記念館」

作品を鑑賞する開場式の出席者=能美市九谷焼美術館「浅蔵五十吉記念館」

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現代美術展能美展が開場式 市九谷焼美術館、12日一般公開

北國新聞(2020年8月12日)

 第76回現代美術展能美展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社、能美市、川北町など主催)の開場式は11日、同市九谷焼美術館で行われた。能美では初めての巡回展となり、出席者は現美の新たな歴史の一歩を祝うとともに、美術王国・石川のさらなる飛躍を誓った。一般公開は12日午前9時からで、地元作家を中心に秀作103点が並ぶ。
 県美術文化協会会長の飛田秀一北國新聞社会長はあいさつで、戦後に現美を創設したのは、洋画家鴨居玲の父で、当時の北國新聞社の主筆鴨居悠(ゆう)だったことを紹介。悠が洋画家高光一也、舞台美術家の浅田二郎、彫刻家の長谷川八十(やそ)の各氏を会社に集め、敗戦前から準備を進めたことで、「戦後60日の奇跡」と呼ばれる第1回展が実現したことを語った。
 能美展はそうした伝統に新たな歴史を刻むことになる。飛田会長は「能美市誕生15周年、川北町制施行40周年のお祝いになればいい」と話した。今年の現美に出品した能美市の委嘱作家が32人に上ることにも触れ、「(巡回展が行われている)小松、白山と比べても遜色ない」として能美展開催の意義も強調した。
 井出敏朗市長は「多くの皆さんから能美展をやりたいという声をいただき、開催に至った」と語り、今回を機に九谷陶芸村の九谷焼資料館など計4施設の総称を市九谷焼美術館に改めたことを説明した。前哲雄町長はコロナの自粛生活の中で、美との対話は心のゆとりになるとし、「能美、川北が活性化する機会にしていきたい」と期待した。
 開場式に続き、地元関係者らが展示会場を巡り、最高水準の美と触れあえる喜びをかみしめた。
 能美展では、地元作家を中心に、委嘱作品や一般公募の入選作品など103点が一堂に披露される。日本画、工芸、写真は市九谷焼美術館の「五彩館」、洋画、彫刻、書は「浅蔵五十吉記念館」がそれぞれ会場となる。
 会期は23日までで、入場料は一般430円、75歳以上320円、高校生以下は無料となっている。

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