輪島大祭の一つ重蔵神社大祭は23日、輪島市河井町で行われた。新型コロナウイルスの影響で、キリコや神輿(みこし)の巡行は中止されたものの、神を迎え厄を落とす松明(たいまつ)神事は営まれ、氏子らは地域の安寧を祈った。
祭りは、夜に重蔵の男神と舳倉(へぐら)島の女神が会い、新しい神様が生まれる伝説に由来する。女神は松明の火を目印に海を渡るため、コロナ禍でも松明神事は行うことにした。
午後7時ごろに海辺のマリンタウン朝市駐車場に設置された高さ7メートルの大松明が点火され、氏子らは赤々と燃える火で、罪や穢(けが)れをはらった。禰宜(ねぎ)の能門亜由子さんは「キリコの巡行は中止となったが、200年以上の歴史を持つ松明神事を無事に終えられてよかった」と話した。