さまざまな桐上箱を鑑賞する会員=金沢市立中村記念美術館旧中村邸

さまざまな桐上箱を鑑賞する会員=金沢市立中村記念美術館旧中村邸

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金沢漆芸会 桐上箱から工芸の価値見直す

北國新聞(2020年8月26日)

 工芸作品や茶道具などを収める「桐上箱(きりうわばこ)」の価値を見詰め直そうと、金沢漆芸会は25日、金沢市立中村記念美術館旧中村邸で初の勉強会を開いた。上質な作りで、中身の作品の格調を支える桐上箱は、現代では需要が減少している。製作する職人は県内に数人となっており、工芸文化の一端として伝えていくため企画された。会場には江戸期の箱などが並び、会員が美しい職人技に見入った。
 金沢漆芸会によると、桐上箱は収める品物の大きさや種類に合わせて作られる。かつては美術品の購入者がわざわざ作品に合わせて箱をこしらえるなど重要視され、工芸が盛んな金沢には箱作りの職人も多かった。現代では大量生産の箱が出回り、価値が薄れた。
 昨年、蒔絵(まきえ)職人の手製道具を記録する取り組みを始めた同会は、さらに漆芸にまつわる文化を伝承していくため、桐上箱を掘り下げることにした。25日の勉強会では、西村松逸(しょういつ)会長が約30点の箱を披露し、参加者が実際に手に取って鑑賞した。
 キリではなく木目の美しいスギで作ったものや、一部だけ貴重な黒柿を使ったものなどが集められた。会員は、茶道具は茶道の流派によって箱のひもの掛け方が異なるなど、昔は中の品物が箱を見るだけで分かるようになっていたことを学んだ。
 西村会長は、かつて箱とその中身の作品は一体だったとし、「こういう文化があることを多くの人に知ってほしい」と話した。

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