「ii川」創刊号を持つ編集長。背景は南川上流地点=福井県おおい町名田庄納田終

「ii川」創刊号を持つ編集長。背景は南川上流地点=福井県おおい町名田庄納田終

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自然豊かな福井県若狭地域を発信 情報誌「ii川」創刊

福井新聞(2020年8月26日)

 福井県若狭地域の川や自然をキーワードにした情報誌「ii川(いいかわ)」が創刊された。小浜市とおおい町名田庄地区を流れる南川での小水力発電計画や自然再生に取り組む人々など環境に関する情報を中心に、暮らしの知恵コーナー、識者コラムなど硬軟幅広い話題を扱う。30代女性を主な読者層に見据えており、編集者は「足元の豊かな自然に関心を高めるきっかけにしてほしい」と話している。

 おおい町民らが設立した合同会社「おおい町地域電力」(福井市)の呼びかけで、嶺南在住者ら8人でつくる編集チーム「こうなるjournal」が取材、執筆、デザインを手掛けている。同社は昨年4月、町内の南川小松砂防ダムを利用した小水力発電を目指して設立され、地域活性化事業として情報誌の発行を企画した。

 6月発行の創刊号では小水力発電計画を特集している。また児童が卵をふ化させ南川に放流するサクラマス復活プロジェクト、南川でも見ることができるホタル観賞の心得なども紹介。京都芸術大客員教授で、テレビ番組「素敵(すてき)な宇宙船地球号」に関わった放送作家、谷崎テトラ氏が、新型コロナウイルス感染症が拡大する社会に関するコラムを寄せている。

 県立大小浜キャンパスで学生が取り組む研究も掲載。初回は南川でのアユの産卵をテーマにしている。暮らしの知恵コーナーでは、うま味と健康の関係を解説。まじめな話題だけでなく、肩の力を抜いて読める記事も盛り込む。

 編集長でデザイナーの女性は若い世代に読んでほしいといい、「自然のために活動する人々の思いを読者に伝え、自然豊かな若狭に誇りを持つきっかけになるとうれしい」と話す。

 創刊号はB5判フルカラーで、4千部発刊。町内の公共施設や若狭地域のスーパーや道の駅、県立若狭図書学習センター(小浜市)などで無料で配っている。年4回、10年間の発行を予定し、次回は今秋に製作する。

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