福井県高浜町内でネコたちが大冒険を繰り広げる絵本「はらぺこシジミ」の第2弾「ひみつのビーチ」が完成した。冒険の舞台は前作の春の高浜地区から夏の和田地区へ。海水浴場や細い路地、島などローカルな風景の中で、再び愛らしいネコたちが駆け回っている。
1作目は昨年3月、幼少期から郷土愛を育んでもらおうと町が発刊。同町のデザイナーで、町の移住定住促進事業に携わった釣本麻紀子さんが物語や絵を手掛けた。3歳児健診時にプレゼントしてきたが、明鏡洞などの高浜の風景や主人公のネコたちに癒やされると評判になり一般発売した。
第2弾も町が発刊し、釣本さんが担当した。国際的に優れたビーチ「ブルーフラッグ」に認定されている若狭和田海水浴場のごみ拾いを手伝うネコたち。お礼にパンをもらったが、前作と同様にトンビに横取りされるところから物語が始まる。
このパンは、和田地区のパン店「プリーズ」の人気商品で、三角パンの愛称で知られる「クリームトルテ」。釣本さんは「ビーチで食べようと三角パンを購入したのに、トンビにさらわれてしまうのは高浜"あるある"」と実体験が元になっている。
カラフルなパラソルであふれるビーチ、独特な雰囲気を醸し出す細い路地の風景、和田沖合の葉積島、夜空に大輪を咲かせる花火大会...。町民にはおなじみの、町出身者には懐かしい風景が盛りだくさんだ。
「夏なのでカラフルさにもこだわった」といい、青い海や空が印象的でリゾート感あふれる。釣本さんは「今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で海水浴場は開設されなかったが、この絵本でバカンス気分を楽しんでもらい、来年こそ高浜の海に遊びにきてほしい」と話している。
A4判で500部発行。1冊税込み1650円。町内の「ツネダ書店」(三明)「丁字屋」(宮崎)で販売。町内の図書館、公民館でも読むことができる。問い合わせは町総合政策課=電話0770(72)7711。