福井県越前市生まれの絵本画家、いわさきちひろが作中に描いた夏の子どもたちをテーマにした作品展が、同市天王町の「ちひろの生まれた家」記念館で開かれている。カブトムシや朝顔、海など夏を象徴するものや、夏の風景に囲まれた愛らしい子どもたちの絵を展示している。9月7日まで。
原画の紙質や色合いを忠実に再現する最新のデジタル技術「ピエゾグラフ」を用いた作品13点を並べた。
爽やかな海の青色が目を引く「海とふたりの子ども」は、絵本「ぽちのきたうみ」の挿絵。色を塗らず、白色で砂浜や輝く海面を表現したちひろの技術が目を引く。梅雨を題材にした「傘と子どもたち」は、カラフルな傘を持つ少年らを描いた明るい雰囲気の作品。本館から別館に続く通路には赤や青、緑などの色とりどりの傘を置き、暗く捉えられがちな梅雨を鮮やかに描くちひろの世界を演出している。
ほかにも、帽子にカブトムシを乗せた少年や、浴衣を着た少女の絵などが並ぶ。担当者は「夏休みってこうだったな、と懐かしい気持ちにさせてくれる展示」と話している。
入館料300円(高校生以下無料)。開館は午前10時~午後4時。火曜休館。