大町へ里帰りするトロバスを囲む(左から)牛越大町市長、善光さん、高倉社長=日本総合リサイクル

大町へ里帰りするトロバスを囲む(左から)牛越大町市長、善光さん、高倉社長=日本総合リサイクル

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アルペンルートのトロリーバス 解体免れ大町で展示へ

北日本新聞(2020年9月6日)

 立山黒部アルペンルートで2018年11月に運行を終えた「関電トンネルトロリーバス」の最後の1台が、保管先の日本総合リサイクル(高岡市伏木)から長野県大町市に里帰りする。熱心なファンの働き掛けと同社の温情で解体を免れていた。5日に同社で出発式があり、関係者が感慨深げに再会を果たした。

 トロリーバスは黒部ダム駅-扇沢駅間を54年にわたり走り、「トロバス」の愛称で親しまれた。同社が全15台の解体を請け負ったものの、ファンや社内から保存を望む声が寄せられ、1台の解体を見送っていた。

 アルペンルートの長野県側の玄関口である大町市は、保存を試みたものの、予算面の問題から一度は断念した。1台残されていたことを伝え聞き、クラウドファンディングで180万円を目標に資金を募集したところ、646万5千円に達した。車両の買い取り費用や輸送費、展示場所となる扇沢総合案内センター改修費のめどが立った。

 同社と大町市をつないだのが、高岡市伏木国分の自営業、善光(ぜんこう)孝さん(57)。「歴史的な遺産を何とか残せないか」と同社に解体延期を働き掛け、大町市に伝えたことで道が開いた。

 出発式で、善光さんと高倉康氏(やすし)社長に牛越徹大町市長から感謝状が贈られた。市長は「ラストランで涙ながらに別れを告げ、再び合えるとは思わなかった。後世にしっかり残していく」と述べた。善光さんは「保存の道筋がつき、素直にうれしい」、高倉社長は「新たな命を吹き込むことができて良かった」と話した。

 トロバスは6日朝に大町市に到着。化粧直しをして、11月から扇沢総合案内センターに展示される。

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