看板商品の「クロワッサンB・C」。1日約250個が売れる

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世界3位の職人 町のパン屋に 十日町「バウムリンゲ」

新潟日報(2020年9月8日)

 世界3位のパン職人がやって来る-。新潟県十日町市内で早くから話題を集めていたパン店「バウムリンゲ」(妻有町東2)を5月、妻智子さん(40)と共に開いた。評判が評判を呼び、開店から連日、行列ができた。「入賞はたまたまのことで前面に出すつもりはなかった」と戸惑いつつも、「大勢に来ていただいて本当にありがたい」と感謝する。

 イタリアで開かれた世界大会「Sigep(シジェップ)」に挑戦したのは2016年。国内大会上位のパン職人同士で2人のチームを組み、日本代表として出場した。イタリア伝統のパン「チャバタ」や焼きタルトなど18種類を焼き上げ、イタリア、スイスに続く3位に輝いた。

 入賞の快挙より、海外の文化や製パン技術に触れ、同じ目標を持つ世界の職人たちと交流できたことが貴重だった。「刺激は大切。感受性を豊かにしないと、表情のあるパンは作れない」と言う。

 津南町出身で地元での出店は夢だった。神奈川県出身の智子さんとは東京の専門学校で共にパン作りを学び、卒業後、埼玉と神奈川の別々の店で腕を磨いていたが、3年前の結婚を機に、郷里に近い十日町での開業を決めた。

 智子さんにとっては初めての雪国暮らしだが、「ためらいはなかった」ときっぱり。豊かな緑、おいしい食べ物や水。「何より、人が優しい」と、にこやかに語る。

 二人が目指すのは「生活に根付いたパン屋」だ。木目が温かい店内には、毎日50~60種類の商品が並ぶ。さくさくのパンにしっとり甘いアーモンドケーキが入った看板商品「クロワッサンB・C」や、もちもちの食パンが人気だ。

 雪室の活用など、先々に向けて考えていることはあるが、当面の目標は「継続すること」。「おいしかったよ」の言葉を励みに「まずは一冬越えること」と気を引き締めている。

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