越前松平家の一族やゆかりの人が描いた、初公開作品を含む絵画17点を紹介する企画展=福井県福井市の福井市立郷土歴史博物館

越前松平家の一族やゆかりの人が描いた、初公開作品を含む絵画17点を紹介する企画展=福井県福井市の福井市立郷土歴史博物館

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越前松平家 絵画に気品 福井市立郷土歴博物館で企画展

福井新聞(2020年9月10日)

 越前松平家の一族やゆかりの人が描いた絵画を紹介する企画展「絵をたのしむ」が、福井県の福井市立郷土歴史博物館で開かれている。福井藩主と妻子の作品や、松平春嶽の娘を指導した絵師杉谷雪樵(せっしょう)の初公開のふすま絵など17点を展示している。10月6日まで。

 福井藩主17代のうち、同博物館に残っている藩主の絵画は8代吉邦と10代宗矩(むねのり)の2人のみ。和歌をたしなんだ吉邦の絵画は、アシとガンがバランス良く描かれ気品を感じさせる。幅広い教養があった宗矩が松竹鶴と寿老人を描いた三幅の作品からは、絵画によく親しんでいたことが伝わる。

 16代春嶽の娘2人は華族女学校で「画学」を学んだ。八女の友子の入学願の控えには、入学前に家庭教師から画学の「直線」や「曲線」を学んだとある。女学校のカリキュラムは小学科で鉛筆による絵画、中学科で日本画か洋画の選択とあり、六女の里子は女学校修了後も旧熊本藩のお抱え絵師杉谷雪樵に習った。幼い頃から絵画に親しんだ里子、友子の作品に加え、金泥を薄くはいた雪樵の「雪松に鴛鴦(おしどり)図」を初公開している。

 学芸員は「絵を学び楽しんだ越前松平家ゆかりの人たちの作品を見て、親しみを感じてもらえれば」と話している。

 企画展は、松平家史料展示室で開催している。観覧料220円、28日休館。

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