龍神太鼓を披露する保存会員=珠洲市上戸小

龍神太鼓を披露する保存会員=珠洲市上戸小

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20年ぶり「龍神太鼓」 珠洲・上戸地区、秋祭りに合わせ

北國新聞(2020年9月15日)

 珠洲市上戸(うえど)地区に伝わる龍神(りゅうじん)太鼓が14日、同地区の秋祭りで20年ぶりに披露された。千年以上の歴史を持つとされる太鼓ながら、担い手不足で祭りの演目から消えていた。龍神太鼓保存会は一人でも多くの住民に楽しんでもらおうと、「3密」を避け、5カ所で巡回演奏を実施し、伝統の音色を響かせた。
 保存会は上戸地区の20~40代の住民で構成され、月に1度練習をしている。しかし、少子高齢化が進む中で担い手は減少傾向にある。毎年9月14日の秋祭りが平日である場合、十分な演奏メンバーを集めることは難しいことから祭りでの上演は見送られ、近年は祭り以外のイベント参加が主な発表の場となっていた。
 今年は秋祭りの曳山(ひきやま)行事が中止となり、地区の沈んだ空気を払拭したいとの思いで復活に動いた。地区内の神社3カ所に加え、将来の担い手である子どもたちに見てもらおうと、上戸小と上戸保育所で演奏し、近隣住民も見物に訪れた。
 上戸小では児童23人を前に、保存会のメンバー6人が龍神や人間の喜怒哀楽の表情をかたどった面を付けて笛の演奏に合わせて激しく太鼓をたたいた。迫力に驚いて泣きだす児童も見られた。
 上戸小の儀谷凱翔君、郡星哉君、平野雄大君(以上5年)、初鳥慶次君(6年)は曳山巡行の際に歌う予定だった木やり歌「きゃーらげ」を披露し、会場となった体育館に祭りの雰囲気が満ちた。道端専次校長は「古くから伝わる文化を体感でき、子どもたちにとっていい経験になった」と喜んだ。

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