隕石が落下した痕跡が残る地層「K―Pg境界」=18日、福井県若狭町の県年縞博物館

隕石が落下した痕跡が残る地層「K―Pg境界」=18日、福井県若狭町の県年縞博物館

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世界のシマシマ集結 福井県年縞博物館で特別展

福井新聞(2020年9月19日)

 世界各地の地層や岩石、福井県若狭町の縄文土器などに残された"しま模様"がテーマの県年縞(ねんこう)博物館の特別企画展「シマシマが語る46億年の歴史」が9月19日、同町鳥浜の同博物館と隣接する町若狭三方縄文博物館で始まる。恐竜が絶滅した原因とされる隕石(いんせき)の落下を示唆する地層などが展示され、約46億年にわたる地球の歴史の一端に触れることができる。

 開館3年目に向け、常設の水月湖年縞に加え、各地の堆積物などから地球の環境変化や人の営みに触れてもらおうと企画。地層や岩石など29点を集めた1部は同館、縄文土器など56点を展示する2部は若狭三方縄文博物館で開く。
 
 1部の目玉は、デンマークで採取された約6600万年前の地層「K―Pg境界」で、黒い粘土層が特徴。恐竜がいた中生代白亜紀と新生代古第三紀の境界であるこの層には、隕石に多く含まれる金属「イリジウム」が多量に含まれているほか、他地域でも同様の層が見つかったことなどから、巨大隕石の落下による生物絶滅説が有力になったという。この時期に恐竜をはじめとする多くの生物種が絶滅したとされる。
 
 このほか、世界最古の約40億年前の岩石「アカスタ片麻岩」や、地球で初めて光合成し酸素を生成したシアノバクテリアの層「ストロマトライト石灰岩」なども並ぶ。
 
 しま模様から日本人の歴史をたどる2部は、町内の縄文遺跡で見つかった深鉢や土器片のほか、鳥浜貝塚の地層などを展示する。
 
 県年縞博物館の北川淳子学芸員は「地球が誕生してから多くの現象があった。展示物から何があったか想像を膨らませて楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。
 
 企画展は11月23日まで。開館はともに午前9時~午後5時。火曜休館。両館共通券は一般700円、小中校生280円。

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