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新「敦賀ムゼウム」報道陣に公開 11月3日開館

福井新聞(2020年9月26日)

 大正から昭和初期にかけて敦賀に上陸したポーランド孤児やユダヤ難民の歴史を伝える福井県敦賀市金ケ崎町の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」が11月3日、移転リニューアルする。子どもから大人まで史実を理解しやすいように、映像やアニメを豊富に使った展示内容としたのが特徴。開館を前に25日、報道陣に公開された。

 1階の常設展示では、ロシア革命などの混乱でシベリアに取り残されたポーランド孤児の敦賀上陸の歴史や、第2次大戦中の外交官杉原千畝が発給した「命のビザ」によりナチス・ドイツの迫害から逃れ敦賀に上陸したユダヤ難民に関する史実をパネルや史料で紹介している。

 新たに設置したモニターでは、「命のビザ」など歴史的史料のほか、ポーランド孤児に関する当時の雑誌などを閲覧できる。コーナーごとに子どもにも理解しやすいようアニメで歴史を紹介するほか、最大50人を収容できるシアタールームでも映像コンテンツを放映する。

 2階には企画展示室をはじめ、ユダヤ難民の戦後の足取りや子孫に関する展示がある。来館者が自由にメッセージを残せるボードも設置した。

 新ムゼウムは、年間約7万人の来館者が目標。市人道の港発信室は「若年層でも分かりやすい展示内容となっている。幅広い世代に来てほしい」とした。

 ムゼウムは延べ床面積約1200平方メートルの鉄骨2階建てで、市が約12億円で整備した。外観は、旅客の入出国を管理した「税関旅具検査所」や欧亜国際連絡列車が運行した「敦賀港駅舎」など、当時敦賀港に実際にあった象徴的な洋館4棟を模した形となっている。

 10月に計3回、市民向け内覧会を行う。申し込みは電話やはがきなど。問い合わせは市人道の港発信室=電話0770(22)8129。

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