土木学会は9月28日、全国の歴史的土木構造物を顕彰する本年度の選奨土木遺産に、福井県大野市本戸の笹生(さそう)川(がわ)ダムなど全国26件を認定したと発表した。
真名川上流に位置する笹生川ダムは1957年に完成した重力式ダム。総貯水容量は約5880万立方メートルで、多目的ダムとして治水や発電、水道用水の供給などを担っている。
県河川課によると、ダム堤の構造設計に当時の最新技術だった「3次元的応力解析法」を活用した。断面だけでなく奥行きを含めて詳細に計算し、安全性を保ちながらダム堤体積の最小化を実現。2次元計算法に比べ、当時高価だったコンクリート容量を1割削減することができたという。
ダム本体の設計に3次元解析法を用いて建設したのは国内初だった。
選奨土木遺産は2000年度に創設された。完成から50年以上経過した土木関連施設が対象。県内では三国港エッセル堤(坂井市)など5件が認定されている。