新型コロナウイルスや台風などが猛威を振るう中、災厄を払うとされる守り神「鍾馗(しょうき)」の人形やのぼり旗など5点を集めた「災厄を祓(はら)う守り神 鍾馗展」(福井新聞社後援)が、大野市役所市民ホールで開かれている。特徴的な鋭い目つきに病魔はたじろぎ、天災も収まりそうだ。10月23日まで。
市民有志でつくる越前おおのひなまつり実行委員会の主催。毎年、春と秋にひな人形の展示会を開いているが、換気などの感染対策がひな人形に悪影響を及ぼすことを考慮し今年9月と来年3月の開催は取りやめた。人間の身代わりに災厄を引き受けてくれると伝わる人形を展示。コロナ禍の収束を願うとともに、人形の面白さを知ってもらおうと鍾馗展を企画した。
鍾馗は、唐の玄宗皇帝の病と悪鬼を退治した伝説が残る道教系の神。日本でも平安時代には伝わっていたとされる。関東では五月人形として鍾馗の人形を飾ったり、全国的にはこいのぼりと合わせて鍾馗の絵が描かれたのぼり旗を掲げたりする風習がある。また、京都には魔よけや学業成就を願って鍾馗をかたどった瓦を屋根に置くならわしがある。
展示会では人形、のぼり旗、鍾馗瓦と鍾馗を描いた凧、色紙が飾られている。市民らの健康を願い、人形などを置くクロスも魔よけの色とされる赤色でそろえた。
同委員会の女性は「怖いから見たくないのについ見てしまう、いかつい表情を楽しんでほしい。早く平穏な日常が戻ってくるといい」と話していた。