飯田線沿いの斜面は復旧工事が終わり、白い擁壁と天竜川の青みが映えた=30日午前7時39分、天龍村の天竜川(河川管理者らの承諾を得て小型無人機で撮影)

飯田線沿いの斜面は復旧工事が終わり、白い擁壁と天竜川の青みが映えた=30日午前7時39分、天龍村の天竜川(河川管理者らの承諾を得て小型無人機で撮影)

長野県 伊那路 鉄道

渓谷走る日常戻った 飯田線、天龍の復旧現場

信濃毎日新聞(2020年10月1日)

 7月の豪雨による土砂崩落の復旧工事が終わり、28日始発から約3カ月ぶりに全線再開したJR飯田線。30日、下伊那郡天龍村の復旧現場一帯を、河川管理者らの承諾を得て小型無人機で撮影すると、深緑の斜面を新たな白い擁壁が固め、被害の爪痕を感じさせた。ゆったりと流れる天竜川と周囲の木々が形成する渓谷を車両が静かに走った。

 豪雨では線路上に幅約35メートルにわたって土砂が流出。線路をふさぎ、並行して上部を走る村道も崩落した。同村の中井侍駅近くに住む江崎茂美さん(83)は7月8日午後1時15分ごろ、大きな音を聞き、架線が波打つのを見た。「何かあった」と音が聞こえた方へ夫婦で歩いていくと、斜面が大きく崩れていたという。

 買い物などで週2回ほど飯田線を使う。運休中は夫が運転する車で出掛けた。「久々にホームに入ってきた電車を見たときはうれしかった。ようやくこれで普通の生活に戻れる」とほっとした笑顔を見せた。

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