菓子製造販売のマツザワ(高森町)は5日、飯田市産のリンゴ「ふじ」と栽培過程で摘果する青リンゴで生産したシードル「APPOCIDRE(アッポ・シードル)」を発売した。同社は、2017年に市が認定を受けた南信州飯田果実酒特区の制度を活用し、8月に市中心市街地のりんご並木にある店舗で醸造所を開業。季節に応じて、醸造の様子を窓ガラス越しに外から見ることができる。
醸造所は床面積42平方メートル。本年度は摘果リンゴを使った商品を含む2銘柄を販売予定で、計約2千リットルの生産を目指す。市産業経済部によると、市の特区認定を活用した醸造所の開業は初めて。
同社は10年から、栽培過程で廃棄される摘果リンゴを土産品の菓子に活用。新たに発売したシードルは、青リンゴらしい酸味や渋味があり、すっきりとした味わいに仕上がったという。同社店舗統括部の宮島洋平さん(41)は「りんご並木という飯田のシンボルとともに、地域内外の人にシードルを身近に感じてほしい」と話していた。
価格は330ミリリットル入り970円、500ミリリットル入り1380円(ともに税込み)。同社が運営する「みつばつつじりんご並木店」(飯田市)、信毎メディアガーデン(松本市)内の「POMGE(ポムジェ)」、「信州くらうど」(長野市)で販売する。