飯田市鼎上山の洋菓子店「ポルカ」が今月、下伊那郡で若手生産者が栽培する「夏イチゴ」を使ったプリンを発売した。栽培するのは阿南町新野にハウスがある林紀行さん(28)=飯田市松尾寺所=と、喬木村で育てる柴藤(しばとう)洋希さん(29)。2人が「下伊那の夏イチゴを多くの人に知ってほしい」と同店に商品化を持ち掛け、実現した。
夏イチゴは6月中旬から11月中旬に収穫され、冬から春が収穫期の一般的なイチゴより酸味や香りが強い。ポルカの新商品「夏のおもひで」は、県が開発した品種「サマープリンセス」「サマーリリカル」を7〜8粒ずつ使用。滑らかで上品な甘さのプリンに、酸味や「つぶつぶ感」を生かしたソースを載せた。
林さんは昨年、国内での生産量が少ない夏イチゴを育ててきた父親の浩志さん(59)のハウスを継いで就農。長崎県佐世保市から昨年移住した柴藤さんも、浩志さんに教わりながら喬木村大島で栽培に取り組んでいる。
今回は林さんが、傷などで出荷できない夏イチゴを活用したいと、「ポルカ」社長の福沢裕介さん(36)に商品開発を依頼。福沢さんも「夏場に、地元のイチゴを使った商品ができるのはありがたい」と応じた。
林さん、柴藤さんは他にも、若者の視点を生かした夏イチゴの販路開拓を目指している。夏イチゴのシロップとハチミツを混ぜ、飲むときは牛乳で割る飲み物も商品化。10月半ばからインターネットサイト「イチゴノマド」で販売する。
「夏のおもひで」は1個350円(税抜き)。今季は10月末まで販売する予定。問い合わせはポルカ(電話0265・52・1776、7日は休業)へ。夏イチゴのシロップとハチミツを混ぜた飲み物は、200ミリリットル入り1800円(税抜き)で販売する予定。問い合わせは林さん(電話090・5556・6414)へ。