福井県あわら市は、坂井高校の生徒が同市山室にある同校農場で育てたナシを「ふるさと納税」の返礼品に追加し、10月16日から発送を始めた。ナシは大玉の品種「新興梨」で、生徒は「自信を持って全国の人にお勧めできます」とPRした。
同市が寄付拡大に向け市が自慢する果物・野菜の充実を図ろうと学校側に呼びかけ、提供されることになった。生徒が育てた農産物が返礼品になるのは珍しいという。
ナシは実がぎっしり詰まり、さっぱりとした甘さが特徴。長期保存が利くため返礼品に適している。食農科学科の生徒たちが、一つの実に栄養がたっぷりいくように実を間引く「摘果」をするなど、手塩にかけて育ててきた。
この日は生徒32人が収穫作業を行い、丸々と育ったナシをもぎ取っていった。返礼品になることに、1年生の生徒は「気持ちを込めて育てました。とてもおいしいので全国の人に食べてほしい」と胸を張った。
同校では2018年から、月に1回開く「坂井高マルシェ」でナシの販売も行ってきたが、新型コロナウイルスの影響で規模を縮小。牧野元春教諭は「生徒たちの頑張りを広く知ってもらう機会になれば」と話している。
寄付の受け付けは始まっており、寄付額と返礼品は、一口6千円で1箱、1万2千円で2箱。1箱6個入り(3キロ)。ポータルサイト「ふるさとチョイス」や「ふるなび」から申し込める。