大野盆地に霧が立ちこめた10月20日朝、福井県大野市の越前大野城が雲海に浮かんだように見える「天空の城」が、今季初めて確認された。城から約1キロ離れた同市犬山の戌山城址(いぬやまじょうし)近くでは、ファンら約50人が待望の景色に息をのんだ。
撮影に成功した男性(53)によると、同城趾付近に到着した午前3時40分ごろには既に天空の城が出現していた。雲は一度薄れかけたが、同8時ごろまで楽しめたという。
男性は「星もきれいで、安定したいい天空の城だった。今年1号が見られて縁起が良い」と喜んでいた。
天空の城は前日の湿度が高く、冷え込んだ朝に発生するという。秋から春にかけての1シーズンに10回程度しか出現しないとされる。この日、市内には濃霧注意報が出ていた。撮影スポットへの道中はクマ対策が必要。