午前9時半のオープンを待つ人々。当日券を求める人の列もできた=金沢市出羽町の国立工芸館

午前9時半のオープンを待つ人々。当日券を求める人の列もできた=金沢市出羽町の国立工芸館

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国立工芸館 一般公開に美術ファン続々

北國新聞(2020年10月26日)

 日本海側初の国立美術館となる国立工芸館が25日、金沢市出羽町で開館し、待ちわびた美術ファンが続々と詰め掛けた。これまで東京の工芸館に収蔵されていた日本芸術院会員、人間国宝ら巨匠の名品が身近に堪能できるようになり、地元の愛好家は、文化の恵み豊かな工芸王国に暮らす喜びをかみしめた。午前9時半のオープン時には、当日券を求めて30人ほどの列ができた。
 この日始まった開館記念展Ⅰ「工(たくみ)の芸術-素材・わざ・風土」では、所蔵品約1900点のうち国の重要文化財に指定されている明治の金工作家鈴木長吉の銅置物「十二の鷹(たか)」など、よりすぐりの約130点が展示された。
 来館者は超絶技巧の名品に見入り、作品の撮影が可能とあってスマホをかざす人の姿も目立った。館内に仕事場が復元された金沢市出身の漆芸家・松田権六(ごんろく)をはじめ、石川が生んだ巨匠の逸品も注目を集めた。
 大学時代の陶芸サークル仲間と訪れた能美市の会社員一浦雄治郎さん(27)は「素晴らしい技術を見ることができ最高。石川の工芸の多様さとレベルの高さを知ることができた」と笑顔をみせた。金沢市の会社員丹後絢世さん(33)は「松田権六の異次元の作品に驚いた。仕事場を見てから作品を見て、また感動した」とふるさとが生んだ「漆(うるし)の神様」の存在を身近に感じ取っていた。
 金沢市の自営業山﨑一元さん(50)は手仕事の技のほか、陸軍第九師団司令部庁舎と金沢偕行社(かいこうしゃ)を活用した建物にも関心を寄せ、「主張しすぎない内装のセンスが光っていた」と語った。
 好天に恵まれたこともあって、美術館めぐりを楽しむ人も。県立輪島漆芸技術研修所で研さんを積む平本歩(あゆみ)さん(23)は、隣接する県立美術館で第67回日本伝統工芸展金沢展(日本工芸会、北國新聞社など主催)を鑑賞する前に訪れ「一度にたくさんの作品を見ることができるのは、工芸のさかんな石川だからこそ」と満足げな様子だった。
 入館は新型コロナ感染予防のため、事前にオンライン予約を必要としたが、知らずに訪れた人もいたため、枚数限定の当日券が販売された。開館記念展Ⅰは来年1月11日まで。

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