上田市真田町長(おさ)で酒販店「地酒屋宮島」を営む宮島国彦さん(53)が、信州の日本酒の銘柄が入ったマスクカバー「ま酒く(ましゅく)」を考案した。東北中南の地域別に4種類あり、計77銘柄のロゴをあしらっている。県内の酒販店25店などで取り扱っており、販売やサービスに使われている。
マスクカバーは不織布などのマスクを中に入れて使う。「ま酒く」は手拭いの生地を使っており、洗って繰り返し使える。白地に緑色で銘柄がプリントされ、表裏で違うロゴを使ったリバーシブルだ。緑色は、信州の山々などをイメージした。
新型コロナウイルス感染拡大で飲食店に客が入らなくなった3月、飲食店を応援し、地酒のPRができないか―と考える中、地酒のロゴが入った県酒造組合が販売していた手拭いに着目した。組合の承諾を得て手拭いを使い、自身の定額給付金を充てて試作品を作った。県内の酒店40店に配ったところ、25店から注文があった。カバーに合わせてロゴを並べるなどして完成させ、9月に計1200枚ができた。
販売価格などを決めず、酒店やその取引先である飲食店の判断で販売してもらったり、客へのサービス品に使ってもらったり。利益の一部を同組合に寄付し、イベント開催時の感染防止対策費用にする構想もある。
飲食店からは「店員が使って宣伝したり、客にプレゼントしたりしている」との声があったという。自店では1枚900円(税別)で販売。宮島さんは「『こんなに地酒があると分かって面白い』とお土産に買う人もいる。これからの時季は保温性が大事なので、口元も気持ちも温かくしてほしい」と話した。