御嶽山麓の湧水を生かし、木曽産ヒノキのチップを香り付けに使った地ビールが誕生した。名前は、「木材の王様」を意味する「TimberKing(ティンバーキング)」。王滝村でスリランカカレーの店「ララカレーオンタケ」を運営する村内の会社「シシ」が今秋開発した。地域の素材を生かした商品作りの第一歩と位置付けている。
小麦にオレンジピール、水などを加えて発酵させる際に、チップを使って香りを付ける。量を調節することで、「遠くにヒノキの香りを感じられる」(社員の家高(やたか)里加子さん)風味を生みだした。
同社の社長は、浜松市内で強化プラスチック成形会社を経営する岩堀翔太さん(37)。経営者として他業種の現場を知ろうと、2018〜19年の冬に村内のスキー場で働いた。それがきっかけで19年、浜松の知人が手掛けるスリランカカレーのフランチャイズ店を、村内に開いた。
「地域を元気にしたい」との思いから、地元食材を使った商品開発を検討。「木曽のおいしい水を生かす策を考えて」(家高さん)ビールに行き着き、「木曽といえばヒノキ」とチップの活用を決めた。
現在は岩堀さんの知人が経営する静岡県内の企業に製造を依頼。将来は村内に醸造所を開所し、「純木曽産」のビールに育てる構想だ。
330ミリリットル入り880円(税込み)。店内で販売している。