銀賞、銅賞を受賞した自家醸造のシードルを手にする井口さん(左)と兄の北沢さん

銀賞、銅賞を受賞した自家醸造のシードルを手にする井口さん(左)と兄の北沢さん

長野県 伊那路

松川町の兄弟、シードル受賞 国際コンクール、伊那谷6銘柄入賞

信濃毎日新聞(2020年11月14日)

 松川町大島増野(ましの)地区でリンゴを使った発泡酒「シードル」を生産するマルカメ醸造所が初めて仕込んだ2銘柄が、東京で今秋に開かれた国際コンクール「フジ・シードル・チャレンジ2020」で銀賞と銅賞を受賞した。今年は5カ国の69銘柄の応募があり、37銘柄が入賞。うち、6銘柄は、同醸造所を含む伊那谷の3醸造所のシードルが占めた。関係者は、産地としての知名度向上を期待している。

 同醸造所は、町内の果樹園「フルーツガーデン北沢」を営む北沢毅さん(29)と、弟で醸造家の井口寛さん(27)が昨年11月に開業。翌12月に自家栽培の「ふじ」など5品種を使った辛口と甘口の2銘柄を仕込んだ。コンクールでは甘口が銀賞、辛口が銅賞。井口さんは「香りの強い『王林』を生かし、風味をそのまま味わえるようこだわった。受賞で、これから目指す品質や味わいの目標が定まった」と喜ぶ。

 井口さんは、開業前に伊那市のカモシカシードル醸造所で2年間修業。同醸造所のシードルは昨年の同コンクールで最高位のトロフィー賞を受賞し、今回は銀賞と銅賞だった。井口さんを指導した入倉浩平所長(40)は「伊那谷から多くの銘柄が出ることで、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し世界に誇れる醸造技術が育つといい」。

 コンクールは2017年に始まり、4回目。伊那谷では他に、喜久水酒造(飯田市)の2銘柄も銅賞に選ばれた。同社取締役で、飯田市のNPO法人「国際りんご・シードル振興会」の後藤高一理事長(64)は、伊那谷産シードルの入賞が増えることで「質の高い産地として海外へも印象付けられる」としている。

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