下伊那郡天龍村の天竜川沿いで紅葉が見頃を迎えている。秋晴れとなった16日は、天竜川が急カーブする景勝地「信濃恋し」一帯では黄や赤色に染まる山々と、ゆったりとした天竜川の流れが鮮やかな対比を見せた。
同村の平岡ダムができる以前、急流がカーブする岸にぶつかり、渦を巻いて押し戻すような流れを作っていた。木材を運ぶいかだが上流を向いてしまう難所で、「信濃の国が恋しい」と言っているようだ、と「信濃恋し」の名が付いたとされる。
近くで料理店「ふるさと味覚小屋」を営む今村久雄さん(71)は「ぐっと冷え込んで赤色がきれいになってきた。ここ数年で一番色づきがいい」。新型コロナウイルス感染防止のため、店は春から営業を中止しており、「紅葉を楽しむ人も密を避けるためか、車で来る人が多い」と話す。