立派に育ったジネンジョを収穫する組合員=11月17日、福井県おおい町名田庄井上

立派に育ったジネンジョを収穫する組合員=11月17日、福井県おおい町名田庄井上

福井県 敦賀・若狭 特産

ジネンジョ大物次々 おおいで初掘り、22日に即売会

福井新聞(2020年11月18日)

 強い粘りと高い糖度が特長の福井県おおい町特産ジネンジョの初掘りが11月17日、同町名田庄井上(いがみ)の畑であった。長さ1メートル超の大物が次々と掘り出され、生産者は「どれも上等や」「よう肥えとる」と幸先のいい収穫にほくほく顔。22日に同町名田庄小倉のあきない館前で即売される。

 特産化を目指し1982年に栽培が始まった。朝夕の寒暖差の大きさ、赤土の土質が独特の粘りと糖度を育むという。地元の34人でつくる名田庄自然薯(じねんじょ)生産組合が5月、計約20アールの畑で種芋約1万1千本を定植。夏場は畑にヨシをかぶせて、土中の高温化を防いだ。

 初掘りは東紘史さん(71)の畑であった。組合員約20人が、深さ約50センチに埋めたパイプをくわで掘り当て、折れないよう慎重に剥がすと、白い肌をのぞかせたジネンジョが姿を現した。パイプからはみ出た1・5メートル超えも。組合員は「これはきれいや」「ええのが出よる」と1本1本"品評"を楽しんでいた。

 東さんは「長雨と夏の高温で心配していたが、幸先のいい初日だ」とほっとした様子。6月にはイノシシが1メートルの柵をジャンプして侵入し、種芋を食い荒らされた。一部植え直しを強いられただけに喜びもひとしおで「たくましく育ってくれた」と喜んだ。

 収穫は12月いっぱいまで続き、収穫量は例年並みの約5トンを見込む。シンプルにとろろにして食べると、粘りや甘み、野趣あふれる風味が楽しめる。溶き卵と混ぜて、すき焼きのつけだれにしてもおいしいという。

 22日午前9時~午後3時に、あきない館で開かれる「第22回じねんじょ祭り」で販売される。昨年は800キロ以上を売り上げた。29日には同町名田庄納田終(のたおい)の道の駅名田庄でも即売会がある。町の第三セクター名田庄商会でも販売し、注文にも応じている。問い合わせは同商会=電話0770(67)2272。

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