木祖村の標高千メートル余りの場所にあるキャンプ場「やぶはら高原こだまの森」を運営する奥木曽グリーンリゾート(木祖村)が、村内を自転車で巡るモデルコースをつくった。新型コロナウイルスの影響で客足が減った間に、足元の自然と文化を生かそうと準備。村特産の白菜にかけて「ハクサイクリング」と銘打ち、本格運用を始める来季に向けて、ガイドツアーなどの構想も温めている。
こだまの森にはテニスコートや7人制サッカー場、プールなどがあり、120張り設営できるテントサイト、コテージも整う。中京圏などの家族連れに人気だが、今季は新型コロナで客足が減少。スタッフらはその間、滞在中の体験メニューを充実させようと自転車に着目した。
6月から自転車で村内を巡り、ルートを検討。こだまの森を発着点に、子どもや初心者向けの平たんなコースから起伏のあるコースなど4本を設定した。白菜畑を通り抜けるコースは3・9キロ。愛知県の水がめ「味噌(みそ)川ダム」まで足を延ばす最長19キロのコース、旧中山道の薮原宿を巡るコースもある。
「道具も必要」と、村の補助金で自転車28台を購入。このうち5台は坂道に対応できる電動アシスト付きにした。車庫も新設し、ルート沿いには案内看板20枚余りを設置。9月に自転車の貸し出しを始めると、11月初めまでに220人が利用したという。手応えを得たスタッフらは今後、コースを紹介する映像を作り、ホームページに載せることにしている。
現在、こだまの森は冬季休業に入っており、再開は来年4月下旬。支配人の坪井祐さん(41)は「サイクリングをしながら農作業風景を眺め、農家と会話もできれば楽しい。民間のブルーベリー園に立ち寄ったり、ダム湖でカヌー体験をしたりもできるので、家族や仲間で木祖村に来てほしい」と話している。