福井県永平寺町の大本山永平寺で12月18日、恒例のたくあん漬けが行われた。みぞれが降る厳しい寒さの中、木おけに隙間なく敷き詰めた干し大根を、雲水たちが体重をのせて踏み固めていった。
たくあん漬けは、重要な修行の一つとされる。例年は3千本ほど漬けるが、近年の修行僧の減少に加え、新型コロナウイルスの影響で寺の宿泊者が激減しており、今年の仕込み数は過去最少の300本ほどとなった。
漬物を貯蔵する香菜蔵(きょうさいぐら)と呼ばれる建物で、午前8時半ごろから雲水ら10人が作業した。足袋をはいて木おけに入り、手際よく干し大根と塩や唐辛子などを入れたぬかを交互に詰めて、踏み固めた。ふた代わりに大根の葉を敷き、重しを載せた。
たくあんは春先以降に食べ頃となり、雲水や寺の宿泊者らの食事に出される。