神社の行事で活躍する宗二郎と田近規景さん=市内

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波自加彌神社柴犬「宗二郎」 勤続8年袴紫に昇級

北國新聞(2020年12月24日)

 日本で唯一、ショウガなどの香辛料の神をまつる波自加彌(はじかみ)神社(花園八幡町)で飼われている雄の黒い柴犬「宗二郎」が参拝客の人気を集めている。8年前から2月の節分祭をはじめ、神社の行事に袴(はかま)と白衣姿で参加。今年で10歳になり、「勤続8年」も祝って、神職の階級と同様に袴の色があさぎ色から紫色に昇級した。コロナ禍の今年は出番がめっきり減ったが、来年こそ活躍の機会が増えるのを待っている。
 犬好きの田近章嗣宮司(63)が2012年2月の節分祭で、宗二郎に鬼の面を着けて鬼役として参加させたところ、子どもやお年寄りから「かわいい」と評判だった。
 10月の秋祭りでは神輿(みこし)の巡行に付き添ったり、2年前は戌(いぬ)年に合わせて神社のオリジナル絵馬に採用されたり、「神主犬」として活動してきた。
 その活躍が認められ、今年8月20日の10歳の誕生日を機に、田近宮司の妻玲子さん(61)がミシンで作っている装束が新調された。
 宮司の長男で、宗二郎より「1年先輩」に当たる勤続9年の田近規景(のりあき)禰宜(ねぎ)(32)の袴はあさぎ色。規景さんは「ほかの神社の神職から『(神職の階級は)犬の方が偉い』とからかわれることもあります」と笑う。
 コロナ禍の今年は参拝者を集めた行事はほとんど行えず、宗二郎も活動を自粛せざるを得なかったが、「宗二郎君はいますか」と訪ねて来る人も多かった。
 波自加彌神社では、来年2月の節分祭は新型コロナ感染防止対策を講じての開催を検討している。規景さんは「宗二郎にとっては昇級して初仕事になる。これからも参拝客にかわいがられてほしい」と話した。

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