山あいの福井県勝山市北谷町に伝わる冬の保存食「鯖(さば)の熟(な)れ鮨(ず)し」のたる上げが同町北六呂師の加工場で行われている。今年は漬け込み後に昼夜の寒暖があったため、順調に発酵が進み「最高の仕上がり」と加工グループの担当者は自信を見せた。来年1月下旬までに約1800匹を取り出す。
熟れ鮨しは、背開きしたサバにこうじとショウガを混ぜた酢飯を詰め約40日間発酵させる。癖が少なく、クリーミーな味わいが人気で、今年は11月上旬に漬け込みを始めた。
今年初めてのたる上げは12月19日に行われた。加工グループの小林信男代表(80)ら8人が作業に当たり、たるの漬け汁を出した後、鯖を取り出し一匹一匹丁寧に真空パックしていった。
小林さんによると、今年は漬け込んだ後、気温の寒暖が繰り返されたことで発酵具合がうまく進んだという。酸味が少なく、ほど良い塩加減に仕上がった。
たる上げ作業は年内にあと2回、1月中に2回行う予定。
同町コミュニティーセンター内の山の駅「よろっさ」で販売している。今年は食べやすいよう5切れほどの切り身のパックも準備しており、税込み千円~同1800円。発送や予約など問い合わせはNPO法人きただに村=電話0779(83)1030。