諏訪地方を中心に県内各地の風景写真を手すき和紙に印刷した珍しい作品が、諏訪市の「SUWAガラスの里」に展示されている。岡谷市の市川興亜(こうあ)さん(76)、下諏訪町の遠藤光さん(54)がそれぞれ撮影した写真を印刷。印画紙よりも柔らかな風合いに仕上がった諏訪湖の御神渡(おみわた)り(縦約90センチ、横約5メートル)の大型作品など15点が並ぶ。
和紙がインキを吸収する際、わずかににじむことが柔らかい雰囲気を生み出す。2人は趣味で7年ほど前から制作を続けてきた。2018年に出現した御神渡りを撮影した市川さんの写真は、和紙4枚を横に連ねて印刷。市川さんは「色使いに気を使った。柔らかな雰囲気や立体感を楽しんでほしい」と話す。
新型コロナウイルスの影響で県外からの観光客が減る中、地元の人に身近な景色を楽しんでもらおうと、同館が2人に展示を依頼した。4日、来館した佐久市の滝沢さや香さん(35)は「遠くから見ると写真だが、近づくと絵画のようにも見える」と感心していた。
展示は今月末までの予定。