新潟県長岡市寺泊夏戸のトキ観覧施設「トキみ~て」で5日、トキのつがい1組の公開が始まった。市は1月中旬に繁殖期に入るトキの求愛行動を観察してもらい、環境保護への理解を深めてほしいとしている。
12歳の雄と11歳の雌のペアで、2012年から計17羽の繁殖に成功している。これまで公開していた11~17歳の雄5羽のケージとは別のケージで、2羽を観察できる。
トキは繁殖期に入ると羽が黒色に変化する。公開されたつがいは白いままで、雄が雌の背に乗る「擬交尾」などの求愛行動もまだだが、止まり木の上で身を寄せ合い、くちばしで互いに羽繕いをする様子が見られた。
施設職員によると、つがいは先月中旬に繁殖ケージから移され、まだ落ち着かない様子だというが、池に餌のドジョウが放たれると止まり木から交互に降り立ち、ついばんでいた。
トキの産卵は3月下旬。施設では2月下旬に止まり木に巣となる籠を固定し、緩衝材となる草やコケを置いておく。つがいが産卵に備え、巣の中に運ぶ姿が見られるという。
市環境政策課は「環境に慣れさせる訓練は順調。求愛行動や抱卵、ふ化の様子などを見に、何度も訪れてほしい」としている。