湯涌温泉観光協会はコロナ禍のため、31日に予定している冬の風物詩「氷室の仕込み」で、一般向けの雪詰め体験を中止する。玉泉湖畔にある氷室小屋付近への立ち入りを制限し、関係者が仏事のみ行う。
1月の「氷室の仕込み」と6月の「氷室開き」は、加賀藩が冬に雪を貯蔵し、夏に江戸まで運んで将軍家に贈った風習を再現している。
一時途絶えたが1986年に協会が復活させ、仕込みでは、見物客らが氷室小屋に雪を運び込む。
例年、金沢湯涌夢二館前広場に飲食ブースを設けるが、今回は氷室まんじゅうと温泉卵、総湯「白鷺(しらさぎ)の湯」の回数券のみ販売する。地酒「白鷺」を小屋に保存する「氷室酒の仕込み」は関係者が実施する。昨年は雪不足で、初めて小屋に雪を貯蔵できなかった。
安藤有(たもつ)会長は「残念だが、雪は確保できたので氷室開きに備えたい」と話した。