雪の下で育てていたニンジンを収穫する戸田さん(左)と妻の智恵子さん

雪の下で育てていたニンジンを収穫する戸田さん(左)と妻の智恵子さん

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「雪下野菜」信濃町の特産に 道の駅で発売

信濃毎日新聞(2021年1月9日)

 信濃町が、雪の中で寝かせる「雪下(ゆきした)野菜」を町の新たな特産にしようとしている。雪の中で保存すると甘さが増すなどの効果があるといい、生産者の確保や野菜のPRなどに力を入れる方針。町内の「道の駅しなの」では冬季に地元産野菜の入荷が減り、農産物直売所の売り上げが大きく落ち込む課題の改善にもつなげる。8日、道の駅での販売を始めた。

 「本当に甘い」「フルーツみたい」。7日、町内の農家戸田宏さん(69)が50センチほど積もった雪をショベルカーで掘り、ニンジンを収穫。その場で食べた町職員らが驚きの声を上げた。戸田さんは15年ほど前から雪の中でニンジンを栽培。「甘みが増し、臭みは減る」と話す。

 町によると、雪の中は湿度と温度が一定で、ニンジンやダイコン、キャベツなどの秋野菜を収穫せずにそのまま雪の中で寝かせておくと、みずみずしく、甘みをより感じられるようになるという。町は昨冬、雪下野菜のブランド化に向け、戸田さんの畑などでいくつかの野菜の試験栽培を始めたが、記録的小雪でうまくいかなかった。

 今冬は、抗酸化作用がある栄養素リコピンなどが豊富とされる品種のニンジン「京くれない」と「冬輝(とうき)五寸」の栽培を戸田さんに新たに依頼。積雪も十分で、雪の中で味や状態がどう変化するかを引き続き確かめる。

 町内では2018年、道の駅内に常設型の農産物直売所「いっさっさ」がオープン。通年営業しているものの、新井匠支配人によると、冬場は売る物が少なくなり、来客が減少。雪下野菜の生産が軌道に乗れば「冬でも野菜が確保でき、町の名物として集客も見込める」と期待する。

 ただ、雪下野菜は除雪に重機が必要で「ハードルが高い」と町産業観光課。生産に取り組む農家は現在、町内で数軒という。一方で、地域で就農した若い世代の中には冬季も含め「通年で農業をしたい」との声もあるという。

 町は20年度、一定の温度や湿度を保つ「雪室(ゆきむろ)」を簡易的に造る方法も模索。雪を活用した農業を広く研究し、冬季の野菜の生産を増やしたいとする。戸田さんも「冬の雪を上手に利用した農作物が地域のブランドになるといい」と望んだ。

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