長野市のリンゴ農家や酒造会社などの有志が、2019年の台風19号の被災から復旧した同市赤沼の畑で育ったリンゴ「秋映」を使った発泡酒「ハードサイダー」を考案し、11日に市内で披露した。災害からの復興や地域の魅力を発信する他、新型コロナウイルス流行で消費が落ち込む酒類の需要拡大につなげる。今春以降にインターネットや市内飲食店などで販売する。
リンゴ農家徳永虎千代(とらちよ)さん(28)の畑で昨年収穫した秋映を使い、西飯田酒造店が醸造した。果汁を発酵の途中で瓶詰めし、瓶の中でさらに発酵させることで、リンゴの味を引き立たせたという。
有志らは「シナノスイート」「シナノゴールド」「サンふじ」でも醸造しており、計4種類をいずれも1本375ミリリットル入り税込み660円で販売する計画。徳永さんは「リンゴ栽培の楽しさややりがいを広げていきたい」。西飯田酒造店の社長で杜氏(とうじ)の飯田一基さん(35)は「4種類を飲み比べてもらうなど、普段お酒を飲まない人にも興味を持ってほしい」と話していた。