2019年に行われた新湊曳山まつり=射水市立町

2019年に行われた新湊曳山まつり=射水市立町

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新湊曳山まつり 国重文に 築山行事の指定も答申

北日本新聞(2021年1月16日)

 国の文化審議会は15日、射水市の「放生津八幡宮祭の曳山(ひきやま)・築山(つきやま)行事」を国重要無形民俗文化財に指定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。形態の異なる二つの「山」行事が一体となり、例年9月30日~10月2日に催され、北陸における祭礼行事の地域的展開や、国内の山・鉾(ほこ)・屋台行事の変遷を理解する上で重要と評価された。3月に指定される見通し。

 県内の国重要無形民俗文化財指定は、2013年の「論田(ろんでん)・熊無(くまなし)の藤箕(ふじみ)製作技術」(氷見市)以来9例目。射水市では市町村合併前の1982年に指定された加茂神社の「稚児舞」(下地域)以来2例目となる。

 放生津八幡宮(同市八幡町・新湊)の秋季例大祭で行われる祭礼で、曳山行事は新湊曳山まつりと呼ばれ、13基の曳山が新湊地域中心部を巡行する。築山行事は境内に臨時の祭壇「築山」を置き、神仏の人形などを飾る。

 曳山行事は、昼は花傘や人形などを飾る「花山」、夜はちょうちんをつり下げた「ちょうちん山」として13基が練り回され、江戸時代前期から370年を超える歴史があると伝わる。

 曳山の形や、にぎやかな掛け声を伴う巡行方法などは「放生津型」と呼ばれ、富山湾沿岸の富山市四方から氷見市までの港町に波及した。

 築山行事は、海から神霊を迎え、祭壇に主神(しゅじん)と四天王の人形のほか、地域ゆかりの人物などを飾り人形として毎年表現して並べる。曳山行事より歴史が古いとされ、全国的に類例が少ない。

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