アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」に欠かせない刀の鑑賞はいかが-。新潟県新発田市出身の刀匠で、人間国宝の故天田昭次さん(1927~2013年)制作の日本刀が市民から市に寄贈され、刀剣伝承館・天田昭次記念館(同市月岡温泉)で特別展示されている。
寄贈したのは、刀匠天田昭次後援会の元会長中川明さん(94)=同市大手町2=。太刀、脇差し、短刀、剣の4振りと、刀を飾る刀装具が展示されている。
正面入り口に飾られた太刀は、長さ約70センチ、反り2センチ。刀身は照明を浴びて輝きを放ち、アーチ形の弧は絶妙な均整を保っている。ミリ単位の反りが施された脇差しや短刀、先端が研ぎ澄まされた剣などが飾られ、来館者は手仕事ならではの展示品を見入っていた。
同市本田の男性(64)は「すごい。機械では出せない美しさ」と感心していた。
同館では、鬼滅ブームで子ども連れの来館が増えているという。同館スタッフで天田さんの次女惠さん(48)は「ウイルス禍で不安は募るが、魔よけの意味もある刀を見て元気を出してほしい」と呼び掛けている。
6月30日まで。大人360円、小中学生160円。火曜日休館(火曜が祝日の場合は翌日休館)。