国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「能登のアマメハギ」の一つとして登録された「面様年頭(めんさまねんとう)」の「おかえり面様」は20日、輪島市輪島崎町で営まれた。児童が扮(ふん)した「面様」が家々を回って厄をはらい、住民は新型コロナの収束や無病息災を願った。
地元の鳳至小4~6年生の児童4人が2人1組となり、午前と午後に交代で「面様」となった。輪島前(さき)神社でおはらいを受けた後、「串柿(くしがき)」「女郎(じょろう)」と呼ばれる夫婦面を着け、約100軒を巡った。
各家の玄関戸をサカキの枝でたたき、付き添いの児童が「面様年頭」と叫んで来訪を伝えた。家人は座敷に上がった面様に年賀のあいさつをして初穂を納めた。
面様を迎えた石井勝さん(79)は「一刻も早くコロナが収束してほしい」と願った。面様年頭は室町時代から伝わるとされ、14日には山側から回る「おいで面様」が行われた。