第46回北國花展「伝統と現代」(北國新聞社主催、石川県いけ花文化協会協力)の後期展は21日、金沢市のめいてつ・エムザ8階催事場で開幕した。展示替えした現代自由花、伝統様式花、レリーフ作の計51点が会場を彩り、来場者は古式にのっとった様式美と自由闊達(かったつ)な造形美が混然一体となった展観を心行くまで堪能した。
床飾りの伝統を下地にした古流の華道家の現代自由花は、人と神をつなぐ見えない力を意味する「あめのはしら」(天の柱)の字をしたためた軸の左右に、サザンカや松、レンギョウを格調高く生け、厳かな空間をつくり出した。
古典に立脚した洗練の生け花と、既成概念にとらわれない斬新なアイデア作が隣り合い、互いを引き立てるのが北國花展の醍醐味(だいごみ)である。飛行円盤に見立てた楕(だ)円(えん)形のスチロールにオクラのドライフラワーを群生させた作品は、宇宙から飛来した未知の花を思わせ、鑑賞者の想像力を刺激した。
前期から引き続き展示されている北國芸術賞受賞者大作と特別大作の計7点も風格を漂わせ、来場者は各流派を担う重鎮の技と創意に見入った。
後期展は24日まで。入場料は700円で、中学生以下は無料となっている。